アゴがとっても小さく尖っている、我が家の小学2年生の娘。指しゃぶりをしていた時期も長く、前々から歯科医院で“顎顔面矯正”というものを勧められていました。
初めて聞いた“顎顔面矯正”という治療方法。どうやらアゴの成長期に効果的な矯正方法らしい。
歯科矯正には興味はあったけれど、費用がかかるのと、何といっても“歯医者が苦手”な娘に、頻繁に歯科医院に通うことになる矯正は難しいかなと思い、延ばし延ばしにしていました。
しかし、あることがきっかけで治療を始める決断をし、8歳にしてようやく顎顔面矯正に取り組み始めることができました。
こちらの記事を読まれているということは、「顎顔面矯正って何?」と興味を持たれた方、もしくは同じように顎顔面矯正にこれから取り組む、又は現在頑張られている方だと思います。
顎顔面矯正を始めるにあたって、「うちの子にできるかしら?」「これってどうなの?」というような疑問や不安を持たれる場面が多々あると思います。私も始める前はとても不安でしたし、疑問に思うことがいっぱいありました。
実際に娘が取り組み始めたことで、同じように頑張っていらっしゃる方、これから頑張ろうとしている方のお役に立てればいいなと思い、顎顔面矯正の記事を不定期に更新していくことにしました。
今回は、顎顔面矯正について、装置を装着する前の資料採りについて書きました。よろしかったら、ぜひご参考になさってください。
顎顔面矯正って何?
★顎顔面矯正説明動画★
顎顔面矯正は、大まかに言うと、歯列の内側に装置を付けて、少しずつ左右や前方に広げることでアゴの骨の成長を促し、永久歯がきちんと正常に並ぶスペースを確保する治療です。
歯科医院から積極的に勧められてきた“顎顔面矯正”。初めて聞いた時は、「それって普通の矯正と違うの?」「何がどう違うの?」と疑問だらけになりました。
現代の子どもは、アゴの大きさは小さくなっているのに、歯のサイズが大きくなっているので歯が並びきらず、歯並びに問題がある子が増えているそうです。
これは高カロリーの食事と硬いものを噛まないことなどが原因と言われています。
上アゴが小さいと、鼻腔も小さいので呼吸がしづらく、鼻呼吸ができなくて口呼吸になってしまうことも。
口呼吸になると…
●口がぽかんと開いてしまう
●風邪をひきやすい
●口が乾燥することにより口が臭い
●うまく飲み込めないから食事が遅い
●姿勢が悪い
●熟睡できない
…など、子どもの成長に多くの悪影響を及ぼします。
顎顔面矯正に適した年齢は?
上アゴの発育は、生まれた頃が一番のピークで、5歳頃には成人の95%くらいの発育が進みます。10歳ころには発育が終わってしまうので、6~8歳頃が始めるのに適した年齢と言われています。
始めるのに適した年齢には個人差があるので、歯科医院でしっかり診てもらうといいわよ。
顎顔面矯正のメリット
顎顔面矯正では、自然な成長しようとする力を利用して、上アゴや下アゴ骨の正常な成長を促し、「発育のコントロール」をする治療方法です。成長期のこどものアゴや顔の骨格を整えることで、自然な歯並び・噛み合わせを得ることができ、以下のようなメリットもあります。
主なメリット…
●永久歯が並び、噛み合わせがよくなる
●鼻腔が広がり、鼻づまりやぜんそくが改善される
●鼻呼吸がしやすくなり、風邪にひきにくくなる
●アトピー性皮膚炎の改善
●舌運動機能
●咀嚼機能の改善
●整った顔立ちになる
●集中力が増し、運動能力・学習能力の向上が期待できる
これだけのメリットがあれば、出来ることなら親として子どもにさせてあげたいという保護者の方も多いのでは。綺麗な歯並びは、“親から子どもへの素敵なプレゼント”とよく言われます。
顎顔面矯正は、ただ単に歯並びをよくするだけでなく、体の機能も改善する効果があるから、こどもの今後の人生を考えるとメリットが大きいですね。特に鼻の機能が弱いお子さまにとっては大幅に改善される可能性大です。
顎顔面矯正のデメリット
顎顔面矯正は、まず上アゴの歯列内側に、急速拡大装置と言われる装置を入れるのが一般的です。これは、装置の中央についているネジを1日1回90°回すことで0.2mmずつ左右に広がっていきます。
装置を入れた時に、歯が押されるので痛みがある場合があります。また、異物感があるので、装置をつけた最初のころは、話しづらかったり、食べづらくなったりしますが、数日~1週間以内には慣れることが多いです。
アゴを広げていく時に、鼻腔も広がってくるので、鼻の付け根に痛みを感じたり、むずむずしたり、場合によっては鼻水や鼻血がでることもあります。
前歯に、一時的に隙間ができたり、顔の印象がかわる場合があります。これらは、アゴの骨の改造が活発化し、治療が進んでいく際にでる好転的な現象なので、心配いりません。
成長期の子どもは、歯が動きやすいから、大人よりも痛みが少ないみたいね。
食事の際に、食べたものが装置に挟まりやすくなります。通常の歯磨き以上に丁寧に歯を磨く必要があるため、保護者のサポートが必要不可欠です。
顎顔面矯正では、装置をつけるだけでなく、正しい機能を取り戻すためのトレーニング(鼻呼吸のトレーニング、正しい姿勢のトレーニング、咀嚼のトレーニングなど)も併せて行っていきます。
このように、治療を始めると、子どもに不便を強いられる場面が出てきたり、お子さんをサポートする保護者の負担も大きくなります。大変ではありますが、一緒にお子さんと頑張っていけたらいいですね。
顎顔面矯正の費用は?
健康保険が適応されないので自費になります。
検査費用(資料採り)…3~5万円くらい
基本料金…40万円(消費税別)くらい~
再診料・処置料…数千円(毎回の来院時)
歯科医院によっては、信販会社によるデンタルローンを利用できたり、歯科医院独自の分割払い(利息なし)を行っているところもあります。
医療費控除の対象に
子どもの矯正は、医療費控除の対象になり、支払った金額の10万円を差し引いた額が、医療費控除の対象額になります(上限200万円)。忘れず翌年に確定申告しておきましょう。
医療費控除とは…1月1日から12月31日までの間に10万円以上の医療費を支払った場合、一定の金額の所得控除を受けることができる制度(生計を共にする配偶者やその他の親族の医療費も合算)
ローンでも控除の対象になりますが、支払いが年をまたぐ際には、また翌年以降も別の年に申告する必要があります。
歯科医院に通うための公共機関の交通費も、医療費控除額に含められるので(付き添いの大人の分も)、領収書などがあれば保管しておきます。歯ブラシなどは、“治療目的”で購入するようドクターから指導を受け、歯科医院で購入した場合は医療費控除の対象です。
申告を忘れた場合でも、治療から5年以内であれば、さかのぼって医療費控除を申告することが可能です。
医療費控除の詳しい説明は国税庁のHPをご覧ください。
我が家の顎顔面矯正記録1
娘が最初に顎顔面矯正を勧められたのは5歳のころでしたが、“歯医者がとっても苦手”なため、なかなか踏み出せませんでした。
顎顔面矯正を決断したきっかけ
ある時、一番奥の乳歯(第二乳臼歯)が虫歯で割れてしまい、抜かなくてはいけない状況に…。
第二乳臼歯は、本来なら10~12歳前後で抜け落ちるもの。まだまだ何年もそこにあるべき歯です。そして、第二乳臼歯のすぐ後ろには、6歳臼歯と言われる第一大臼歯がもう出てきていました。
第二乳臼歯がなくなったことで、第一大臼歯が前に倒れやすくなり、歯並びがさらに悪くなる可能性が高くなってしまいました。
倒れるのを予防するために、何万円かかけてそこだけサポートするような装置をつけるか、もしくは顎顔面矯正を始めれば矯正の治療内で一緒にサポートできますとの提案がありました。
我が家の娘は、指しゃぶりをしていた時期が長かったので、指を吸う力で上アゴの歯列が狭くなり、前歯も若干前へ出てきている状態でした。アゴも小さく、永久歯が並びきるだけのスペースがありません。将来、歯並びがガタガタになる可能性は大です。
今回、第一大臼歯が倒れるのをサポートするだけに何万円かかけるなら、高いお金をかけて全体的に綺麗にした方が、健康面や見た目的に考えても、娘にとってメリットが沢山あります。
そして、この成長期に顎顔面矯正をやらずに、もう少し大きくなって歯がガタガタになった時に歯列矯正を行おうとすると、矯正する期間も長くなり、痛みも増し、金額も跳ね上がります。
★顎顔面矯正ではない、一般的な歯列矯正だと、以下のように痛みも辛くて、装着している期間も長くなります。こどもに長期間負担がかかりますよね。
矯正かぁ。私は小4〜中3までやってました。本当寝れんくらい痛いよね(>_<)
噛むのも痛いし。私はもっぱらふかし芋ばっかり食べてたな。“@nishizero: 歯に矯正器具をつける前のセパレーターなる器具を着けた・・
この段階ですでに痛くてもの噛めんし(ノ゚O゚)ノ— 23 (@bB23veintitres) August 27, 2011
痛みも期間もお金の面でも、顎顔面矯正の方が負担がかからないのは間違いない。ということで、ようやく我が家の娘も顎顔面矯正に取り組む決断をしました。
歯医者が苦手だと資料採りが大変
治療を開始する前に、こどもの状態を把握するため、全身写真、口の中の写真、顔写真、レントゲン、歯型、顔面CT、顎関節・呼吸などの機能検査など、治療に必要な様々な資料を採る必要があります(資料採り)。
我が家の娘は“歯医者が苦手”。資料を採るのがとっても大変で、歯科医院に行く前からぐずぐずし、何とか連れていってもいざ順番が回ってくると大泣きし、それはそれは大変でした。
歯科医院も予約でいっぱいなので、自分の予約した時間にできなければ、また別日にいらしてくださいと言われます。人気のある歯科医院なので、予約も一か月後とかになってしまい、資料を採り終えるのに、何か月もかかってしまいました。
歯医者に慣れていない小さいこどもにとっては、資料を採るのもとっても大変な作業で、本人の負担も大きいです。こどもを支える保護者のメンタルも強くなくてはなりません。
前は違う歯科医院に通っていたので、もっと早くに今の歯科医院に慣れておくべきだったと後悔しています。
笑気麻酔で乗り切る
資料採りで一番大変だったのは、歯型を採ることでした。大人でも歯型を採る時は苦しく、「早く終わってくれないかな」と思うものですよね。人によっては吐き気を感じることも。
娘は、歯医者が苦手なので、歯科医院に行くこと自体が極度の緊張とストレス状態。普通に歯型を採ろうとして頑張っても、最後まで頑張りきれず…。別の日に再度チャレンジとなってしまいました。
その後、鼻腔通気検査をした結果、鼻呼吸があまりできていないことが判明。その状態で歯型を採るのはとっても至難の業だったわけです。
鼻でうまく息をできなければ、歯型を採るのは苦しいですよね。
そこで歯科医院より提案されたのが、鼻から吸うだけで鎮静状態が得られ、不安やストレスを大きく感じてしまう人向けの「笑気麻酔(笑気吸入鎮静法)」。
笑気麻酔(笑気吸入鎮静法)とは
笑気ガスと高濃度酸素を混合して使用し、鎮静作用により血圧や脈拍を安定させ、リラックスした状態で治療を受けられます。治療後は、30分以内に肺などから体外に排泄され、副作用が非常に少ない安全な鎮静法です。
笑気麻酔のわかりやすい動画があったので、載せておきます。虫歯治療の光景ですが、笑気麻酔を使った治療がどんな感じかよくわかります。
笑気を吸入すると、穏やかな気持ちになり、恐怖心が取り除かれるからか、大変だった歯型も難なく採ることができました。治療中も意識はあるので、治療後にボーっとしたり、ふらふらすることもありませんでした。
保護者は別室にて待機だったので、歯型を採るところは見られませんでしたが…。
我が家の場合、笑気麻酔代として1回3,000円(税別)かかりましたが、笑気麻酔のおかげで歯型も無事に採ることができ、顎顔面矯正を始めることができてよかったです。
どうしても歯医者に恐怖心があるというお子さんは、笑気麻酔を導入している歯科医院を選択するのもいいですね。
いよいよ急速拡大装置を装着です
大変だった資料採りを終え、ようやく先日、上アゴに急速拡大装置を装着しました。
その様子はこちらの記事で書きました。よろしかったらあわせてお読みください☆